この記事を見ていただいているということは、現在、例えば、こういった考えをもっていらっしゃるのではないでしょうか?
あるいは……
そんな疑問・要望をお持ちの方なのかもしれませんね。
今回はそんな方々のために、「定年前後のシニアに役立つ資格は?」という問いかけに応える記事ではじつはなく(→ごめんなさい!)、その問いかけの “前段階” で必要になる「資格を取ろうと考えている定年前後のシニアが、気をつけなければならないことは?」に応える記事を提供します。
ぜひご一読いただき、自分が取得すべき資格の絞り込みに役立ててください。
なお、この記事を書いている私自身、つい先日、定年を迎えた身。「資格を取って、定年後はその資格を武器に新たな働き方(生き方)を手に入れたい」と考えて、さまざまなアクションを起こし、成功と失敗を重ねています。(詳細は、このサイトのプロフィール欄をご覧ください)
「定年後の過ごし方」について、あなたよりもほんのちょっとだけ“先輩“”の身として、自分の失敗体験を踏まえて語っています。反面教師になる部分も含め、この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
目次
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資格は本当に武器になる⁉ 再就職、独立・開業に失敗しない鉄則
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【定年シニアが陥りやすい「資格のワナ」①】➡定年後からの開始では手遅れ!
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【定年シニアが陥りやすい「資格のワナ」②】➡費用対効果が合わずに失敗!
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【定年シニアが陥りやすい「資格のワナ」③】➡合わない資格で途中挫折!
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まとめ
定年後、資格を武器に「再就職」あるいは「独立・開業」を成功させたいと考える人は多いと思いますが、世の中、そんなに甘くはないという“厳しい現実”もあります。
再就職をめざすにあたっても、独立・開業をめざすにあたっても、失敗しないために知っておくべきことがあります。
シニアの再就職状況が厳しいということは、皆さんご存じかと思います。
もちろん、だからこそ、あなたは「資格の取得」を視野に入れて動こうとしているのだと思います。
しかし、求人企業が定年後のあなたに求めるものは「将来性」ではなく、すぐに働いて結果を出せる「即戦力」としての能力です。
「資格」はもちろん有力な武器になり得ますが、それよりも重要視されるのは、あなたがその企業の職場で「即戦力」になれるかどうか。その可能性が薄ければ「資格をもっていなくても即戦力になる人材」が採用されるでしょう。
つまり、企業が本当に求めているのは「資格」だけでなく、「定年後すぐに働ける実務経験=即戦力」なのです。資格を取っただけでは、再就職活動に有利になったとはいえない、ということです。
数ある資格のなかでも、たとえば「中小企業診断士」「社会保険労務士」「行政書士」「ファイナンシャルプランナー」「宅地建物取引士」などの資格は、比較的少ない初期資金で開業可能で、定年後も自身のペースで長く働けるため、多くのシニア層に人気があります。
でも、どの資格であろうとも、独立・開業してやっていくのであれば、仕事を依頼してくれるお客さんが見つからなければ、利益はゼロです。
つまり、独立・開業に必要なのは「資格」だけでなく、「定年後すぐに顧客を獲得できる営業力/人脈力/コミュニケーション力」なのです。資格を取っただけでは、独立・開業がうまくいくとはいえない、ということです。
たっぷり自分の時間が確保しやすい「定年後」だからこそ、新しいスキルを習得したり、資格を取得したり、人生の新たな生きがいを見つけるよい機会になり得る→――そんなふうに言われることも多いですが、こと「資格」に限っては違っています。
再就職のための「資格」なら、前項で記したように、求人先に対しては資格だけでなく「実務経験」もアピールできるようにしておきたいところです。
となると、定年になる前の50代のときに資格を取っておき、実務を経験するための副業・アルバイトなどをして、求人先に対して「即戦力アピール」できるような経歴を作っておく必要があります。
また、独立・開業のための「資格」の場合、できるだけ早くたくさんのお客さんを見つけられるかが成功のカギとなります。
最も理想的なのは、定年になる前から、独立に向けてお客さんを見つける営業的なアクションができること。そのためにはやはり、再就職のための「資格」と同様、定年になる前の50代のときに資格をとっておき、定年後の独立・開業に向けた営業活動を「定年前」にやっておくことが望ましいといえます。
定年後から、資格取得の勉強を始める? そんなスピード感では遅すぎます。「資格をいかして、再就職に成功する」までに、あるいは「資格をいかして独立・開業して黒字になる」までに、定年からいったい何年が過ぎてしまうでしょうか?
定年になる前の50代から、動き始めるべきなのです。
ちなみに私は、「資格取得&定年後に向けた準備」がしっかりできないまま、定年を迎えてしまいました……。そのため、本意ではありませんが、定年後すぐの再就職、独立・開業は諦めて、再雇用で働くことになったのでした。
皆さんのなかにも、定年前まではとても「その後のこと」を詳しく考える余裕はなく、なんとなく定年を迎えてしまう人(迎えてしまった人)も多いかもしれません。
でも、大丈夫です。リカバリーの方法はいろいろあります。
私の場合、資格取得のスピードを早めて、かつ実務の経験も得るために、あえて再雇用の契約をフルタイムの週5日勤務ではなく、週3日勤務にしました。
定年後の時間について、「再雇用で働く時間」を社会保険に継続加入できるギリギリまで減らし、「その後の働き方の準備をする時間」をしっかりと確保できるようなライフスタイルにしたのです。
そして、これからの自分にはっきりと必要だと思える2つの資格を得る準備を猛スピードで進め、「定年後の働き方」を新たに充実させようとしています。
もちろん、50代で資格取得の準備を始められるほうが望ましいことが多いことは間違いありませんが、「定年後の人生プランを、定年間近になってからゆっくりと考える」というのも、あながち悪いことばかりではありません。「定年間近に考える」ほうが、よりリアルに定年後のことを考えられるからです。
定年で退職金も得られるから、慣れていない株投資などに大金を注ぐよりも、自己投資のために「資格取得」を目指すほうがよっぽどおすすめ――そんなふうに言われることもあるかと思いますが、これも間違いです。
資格を取るためには、当たり前の話ですが、資格取得の受講にかかる費用と、受講・勉強するための時間がかかります。
定年後に資格取得の準備をスタートさせる場合、受講費用の支出があることに加え、収入のない状態が続くという“苦難の道”が始まります。
さらには、資格取得後に、再就職のための実務経験を得るためのアルバイトをしたり、独立・開業後のお客さんを集めることにつながる人付き合い活動などの“資格取得以外の時間・エネルギー”が必要になるとしたら?
そう、答えは誰もがわかるように明解です。
「定年後の新しい働き方(稼ぎ方)」が始まったと堂々といえるようになるまでには、かなりの時間を要することになるのです!
仮に、「資格をいかした再就職」が無事に成功したとしても、そこに至るまでにかかった支出額は、その “無職期間” に働けていた場合の収入額も加味するとしたら、かなりの額になります。
いわゆる「費用対効果」は、とても悪いものとなる危険性があります。
あなたは定年後、いつまでしっかりと毎日、働けるでしょうか?(働く気力が続くでしょうか?)
今まで説明してきた「資格のワナ①」にも「資格のワナ②」にも共通するのが、「資格を取っただけでは実際には役に立たず、それ以外の努力も必要」ということと、「資格を役に立つようにするには、それなりの時間がかかる」ということ。
結局、その2つを実現するためには、大変なことがあっても「やり続ける」ことが必要ということです。となると、「自分が好きになれる資格」、「自分の今までのキャリアに関係のある資格」を選ぶことが重要になってくるでしょう。
その資格ならすごく稼げそうだからとか、あの資格なら取りやすそうだからといった安易な気持ちで資格取得をめざすのは、結局、うまくいかずに途中で挫折することになるリスクが大きいといえます。自分に合わない資格は、途中で挫折する可能性が高い――そのことを踏まえて資格選びをしましょう。
定年になるまで十分に働いてきたあなたにとって大事なことは、もう目先の損得ではありません。「自分に合わないこと/自分の嫌いなこと/続けるのが大変そうなこと」には手を出さないことです!
自分らしさをいかせる「資格」や「働き方」を見つけられるかどうかのほうが、はるかに重要なことなのです。
今回の記事「資格を取ろうと考えている定年前後のシニアが、気をつけなければならないこと」について、要点をまとめてみました。
定年後、取得した資格を武器に「新たな働き方」をしたい!と、資格取得を検討しているシニアの方はかなり多いです。
今回の記事の「気をつけなければいけないこと」を理解していただいたうえで、資格取得に向けて頑張ってください。
また、よろしければ、下記の関連記事もご覧ください。さらに強力に「資格を武器」にすることができるでしょう。
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